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短歌が上達するためにやるべき推敲(すいこう)とは何か?実際に推敲してみた体験談

365日グルメ短歌を詠んでいるむらむらです。

ダイエットに成功して以来グルメにハマり、その後、グルメ好きが高じてグルメ短歌をはじめました。

短歌は全くの初心者ですが半年継続しています。

本記事では、短歌初心者やこれから詠んでみようという方を対象に、短歌が上達するためにやるべき推敲とは何か?実際に私むらむらが推敲してみた体験談をお伝えします。

ちなみにそもそも短歌とは?という方は先にこちらの記事をお読みください。

さっそく、いってみましょう!

目次

推敲(すいこう)とは?

推敲とは、「すいこう」と読みます。

推敲とは、文章を何度も練り直すことです。

遠い記憶をたどると、中学生のときに習った気がします。

門は、推す(おす)のがいいか、敲く(たたく)のがいいかであれやこれや悩むわけですね。

うん、不思議と記憶は遠いほど覚えてるもんですね。

ウィキペディアで確認してみました。

唐代、都の長安に科挙(官吏の登用試験)を受けるためにはるばるやってきた賈島は、乗っているロバの上で詩を作っていた。その途中、「僧は推す月下の門」という一句を口ずさんでから、「推す」のほかに「敲く」という語を思いついて迷ってしまった。彼は手綱をとるのも忘れ、手で門を押すまねをしたり、叩くまねをしたりしたが、なかなか決まらなかった。あまりにも夢中になっていたので、向こうから役人の行列がやってきたのにも気づかず、その中に突っ込んでしまった。さらに悪いことに、その行列は知京兆府事(長安の都知事)、韓愈の行列であったため、賈島はすぐに捕らえられ、韓愈の前に連れて行かれた。そこで彼は事の経緯をつぶさに申し立てた。優れた名文家であり、漢詩の大家でもあった韓愈は、賈島の話を聞き終わると、「それは『敲く』の方がいいだろう、月下に音を響かせる風情があって良い」と言った。そして、二人は、馬を並べていきながら詩を論じ合った。

このことから「文章を書いた後、字句を良くするために何回も読んで練り直すこと」を「推敲」という。

そんなわけで、短歌が五・七・五・七・七で整ったからオッケー!ではなく、何度も練り直すことが重要なんですね。

ビジネスで言うと、特にIT系だと、この作業はまさに「レビュー」に相当するなぁ、って思いました。

成果物に誤りや矛盾がないかチェックするのと似てますね。

ちなみに参考図書はこちらです。

「はじめてのやさしい短歌のつくりかた」横山未来子著 日本文芸社

推敲の方法

推敲の方法は3つのポイントがあります。

推敲の方法3つのポイント

冷静な目で見直す
ことばと文脈を整理して、わかりやすくする
ことばや句を入れ替えてリズムをととのえる

以下、ポイントの詳細を事例とともにご紹介します。

冷静な目で見直す

推敲するときは、冷静な目で見直しましょう。

特に自分がつくった短歌を自分で見直すときこそ、自分に甘くなるものです。

主観から客観へ、視点を変えましょう。

自分がつくった短歌だということを忘れて、人がつくった短歌だと思って、冷静な、むしろ、冷たい目で、批判的な目で見直ししましょう。

短歌ができた直後も、気分が高揚して、冷静な目で見れなくなるものです。

そんなときは時間を置くとよいでしょう。

仕事でもよくやるのですが、できたものをすぐに提出せずに、翌日まで寝かせてから、セルフレビューをすると冷静な目で見直すことができます。

それと同じで、時間を置いて推敲するとよいでしょう。

以降、私が過去に詠んだ短歌を推敲していきます。

ことばと文脈を整理して、わかりやすくする

文脈を整理して分かりやすくしましょう。

一首に情報を詰め込みすぎると分かりづらくなります。

また、主語と述語の関係がごちゃごちゃすると分かりづらくなります。

過去に詠んだ短歌です。

高七は 天ぷらひとすじ 夏目坂
なかばに店あり 昇りはつづく

https://www.instagram.com/p/CPzgGRglw88/?utm_source=ig_web_copy_link

解説します。

「高七」さんは、天ぷらひとすじ130年の老舗です。

夏目坂を登る途中にお店があって、まだ、坂の昇りがつづくのと同じようにお店はもっともっと高みを目指して昇っていくんだろうな。

っていう、お店の応援も兼ねた詩です。

推敲します。

最初に、お店の歴史を坂道に例えてみた比喩表現でしたが、そこまで推し量れないです。

続いて、情報を詰め込みすぎではないかという観点で見直します。

「高七」さんは、天ぷらひとすじ130年であるという情報は必要でしょうか?

短歌でお店の紹介をしたいわけではありません。

短歌の読者もそんなことは求めてないはずです。

つまり、夏目坂に老舗があるということが伝わればよいのではないでしょうか。

最後に、主語と述語の関係に着目します。

バラすとこうなります。

高七は天ぷらひとすじである
高七は夏目坂なかばに店がある
高七と夏目坂は昇りはつづく

ややこしいですね。

これを整えましょう。

夏目坂は昇りがつづく
老舗も昇りがつづく

シンプルになりました。

そして、老舗の「昇りがつづく」をますます商売繁盛に言い換える。

分かりやすくなったはず。

推敲した結果です。

夏目坂 昇りはつづく 道半ば
老舗ますます 商売繁盛

解説です。

夏目坂は、昇りがまだつづきます。

そんな道半ばに老舗があります。

老舗は夏目坂のように昇りがまだつづいて、ますます商売繁盛するでしょう。

整った気がします、という自己満足。

ことばや句を入れ替えてリズムをととのえる

初案にこだわりすぎてしまうことがあります。

こだわりすぎてしまうのを防ぐためにも、似た意味をもつ別のことばに替えるとか、上句と下句を入れ替えることでリズムが整うことがあるそうです。

過去に詠んだ短歌です。

焼きそばは ホームパーティー 残り物
賞味期限に 食べきれるかな

https://www.instagram.com/p/CQXgAtUFrNj/?utm_source=ig_web_copy_link

解説です。

焼きそばはホームパーティーの残り物です。

賞味期限までに食べきるかな、という食品ロスを心配している様子を詠んでます。


はやりのSDGsですが、説明文でイマイチだと、最初に詠んだときから思っておりました。

推敲します。

まず、大胆に上句と下句を入れ替えてみます。

下句にある「賞味期限 食べきれるかな」を上句にもってきます。

最初に賞味期限をもってくることで、食品ロスを心配している気持ちを表します。

それを「焼きそば」が受けます。

次に、似た意味をもつ別のことばに替えることを検討します。

ターゲットは「ホームパーティー」と「残り物」です。

「ホームパーティー」を言い換えると「宅飲み」ですが、微妙なので却下。

「残り物」を「余らせた」と言い換えてみます。

推敲した結果です。

賞味期限 食べきれるかな 焼きそばを
余らせたのは ホームパーティー

解説です。

賞味期限までに食べきれるか心配だ。

焼きそばを余らせたのはホームパーティーだったなぁ。

最初に感情を吐露することで、伝わりやすくなったんじゃないでしょうか。

後から、理由を述べることで、後悔の念とともに楽しかったことも思い出しつつあります。

まとめ

短歌初心者が推敲した記事は如何でしたでしょうか。

推敲とは、文章を何度も練り直すことです。

推敲のポイントは以下のとおりです。

推敲のポイント

冷静な目で見直す
ことばと文脈を整理して、わかりやすくする
ことばや句を入れ替えてリズムをととのえる

短歌は一度詠んで終わりではありません。

それは始まりと言ってもよいでしょう。

何度も何度も練り直す。

そんなところから名歌が生まれるんだと思います。

一緒に短歌を学んで一緒に詠みましょう!

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